コンクリート打ちっ放しのマンションの購入は何に気を付けるべき？

コラム

不動産コラム

2023/05/31

おしゃれなマンションの内装などで採用されることが多いコンクリート打ちっ放しの壁ですが、特徴を把握していないと購入してから暮らしにくい可能性があります。

今回は、コンクリート打ちっ放しの特徴について解説しますので、購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

■コンクリート打ちっ放しの特徴

A「ネットですてきなマンションを見つけたんだけど、どう思う？」

B「コンクリート打ちっ放しのマンションかぁ。独身時代に住んでたことあるよ。スタイリッシュでいいよな。」

・コンクリート打ちっ放しとは？

コンクリート打ちっ放しとは、壁や天井などのコンクリート部分に壁紙や板、タイルといった仕上げ材を使わずに完成させる仕上げ工法のことです。

打ちっ放しというだけあって、コンクリートがむき出しのままの状態になるので、外壁の場合は、はっ水材や弾性塗料などを塗布して劣化を防ぎます。建物の構造がRC（鉄筋コンクリート造）、またはSRC（鉄骨鉄筋コンクリート造）の場合にのみ使える工法です。

・コンクリート打ちっ放しのメリット

＜デザイン性が高い＞

コンクリート打ちっ放しは、コンクリート独特のデザイン表現が可能な手法です。型枠を工夫することで、表面を滑らかにしたり木目調にしたりするほか、曲線を描き出したりもできます。建築物に高級感やクールさ、スタイリッシュさを出すのが得意です。

＜防音性と防火性に優れている＞

コンクリート打ちっ放しの壁は、「防音性の高い壁」に分類されます。コンクリートは比重が大きく、人の声など空気中を伝わってくる音を遮る力が大きいからです。

また、不燃性であるコンクリートは防火性にも優れているので、延焼のリスクも抑えられます。

＜開放感がある＞

コンクリート打ちっ放しは、コンクリート壁で建物を支えているので柱の数が少なく済み、大空間を作り出すことが可能です。また、天井や壁に石膏（せっこう）ボードや仕上げ材を使わない分、空間に高さや幅が出せ開放感があります。

＜火災保険料が安い＞

主要構造に不燃性のコンクリートが使われているため、コンクリート打ちっ放しは、耐火性・防火性に優れています。そのため、火災保険料は木造に比べて安くなるでしょう。

・コンクリート打ちっ放しのデメリット

＜外気に影響されやすい＞

コンクリートは天然木材に比べ熱伝導率が何倍も高く、また、蓄熱性が高い素材でもあります。壁や天井がコンクリート打ちっ放しは他の建物と比べ、外気温の影響を受けやすいと言えるでしょう。断熱材を使わないと、室内でも夏は暑く、冬は寒いといった状態が続きます。

＜カビのリスクが高い＞

コンクリートは常に表面から水分を吸収しているため、室内がコンクリート打ちっ放しの物件はカビのリスクが高くなります。また外壁も例外ではなく、紫外線や雨風の影響を直に受けるため、メンテナンスを怠るとカビが発生しやすくなることに注意が必要です。

＜家賃が高い＞

コンクリート打ちっ放しに仕上げる工法は高い技術が必要となり、建設費用がかさみます。賃貸の家賃は、木造より高めです。

・断熱材や施工方法について確認する

コンクリート打ちっ放しのマンションは、断熱施工がしてあるか否かで過ごしやすさが大きく変わります。また、断熱施工されている場合、住居の外側を断熱材で覆っている「外断熱」か、内側に断熱材を使っている「内断熱」のどちらで施工しているかも重要です。

特に、コンクリート打ちっ放し物件は上記の差が顕著に現れるので、購入する際は施工業者や仲介の不動産会社に確認しておきましょう。

・角部屋や最上階は避けるのがベター

断熱施工がされていないコンクリート打ちっ放しのマンションは、外気の影響を受けるため、外気と接する面の少ない部屋のほうがよいでしょう。角部屋や最上階を避けて購入するのがベターです。

・壁紙は貼らないほうがよい

コンクリート打ちっ放しは、壁紙を貼ると結露が発生するリスクが高まります。カビの原因になることも多いので、不動産の価値を下げないためにも貼らないほうがよいでしょう。

・湿気対策を考える

コンクリート打ちっ放し物件で、最も注意の必要なのが湿気対策です。カビが発生してしまうと、住む人の体にも悪い影響を与えかねません。購入前に、以下で紹介する湿気対策などをしっかり考えておきましょう。

コンクリート打ちっ放しのマンションは、デザイン性が高く開放感もあります。防音性や防火性にも優れているので安心して住める反面、外気に影響されやすく、カビ発生のリスクが高い住宅です。マンションを購入する際は、断熱材や施工方法を確認したり湿気対策を考えたりしておきましょう。