狭小住宅の購入はおすすめ?メリットとデメリットを解説
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狭小住宅の購入はおすすめ?メリットとデメリットを解説
マイホームの購入が負担に感じている場合、狭小住宅であれば購入ができるかもしれません。狭小住宅と聞くと、マイナスなイメージがあるかもしれませんが、実はメリットも多く、条件に合致すればとても魅力的な物件です。
今回は、狭小住宅の購入についてメリットとデメリットを解説します。
■そもそも狭小住宅とは
・狭小地とは?
日本国内の住宅用地において、狭小地と明確に定義されている土地はありません。そのため、不動産業界では便宜上、敷地面積15〜20坪(50〜65平方メートル)以下の土地を「狭小地」と呼んでいます。形も三角形や台形などの変形地も多く見られます。
・狭小住宅とは?
狭小住宅とは、文字通り狭小地に建てられた住宅のことを指します。コンパクトハウスとも呼ばれ、建物自体も狭くて小さいのが特徴です。さまざまな工夫がされているため、「限られた土地を最大限活用して建てた家」と表現したほうが適切かもしれません。
・なぜ狭小地が生まれる?
狭小地は、都市開発によって取り残されてできたケースが大半を占めています。たとえば、道路の敷設工事や商業施設を建設した際、買収した土地が半端に余ってしまったことなどが挙げられるでしょう。そのため、狭小地は都市部などにできやすい傾向があります。
■狭小住宅のメリット
A「そんなに狭くて小さい住宅じゃ、生活も窮屈になってしまうのでは?」
B「確かに狭小住宅は、のびのびとしたマイホーム生活を送りたい人にとっては、少し息苦しく感じるかもしれません。しかし、メリットを最大限に活かせば充実した暮らしが実現できるんですよ!」
・都市部でも購入しやすい
狭小住宅の最大のメリットは、地価が高いとされる都市部でも、土地を安く購入できることです。本来なら手が届かないような土地に住まいを構え、交通機関や医療施設、教育機関、商業施設などがある充実した住環境を得られることは、大きな魅力と言えるでしょう。
・コストが抑えられる
狭小住宅は土地代が安いのはもちろん、そもそもの床面積が小さいため、購入費用や入居後の光熱費・修繕費を大幅に抑えることができます。また、不動産購入時に必要な申請費用や登記費用も安く済むでしょう。
・独特のデザイン
狭小住宅は、狭い分土地の形を活かした間取りで設計されるため、オリジナリティのあふれる住宅が手に入れられます。また、浮いた土地代を使ってインテリアにこだわったり、デッドスペースを活用したりすれば、内装をおしゃれにすることも可能です。
・工夫すれば狭さを感じない
狭小住宅でも、工夫次第で狭さを感じさせない開放的な環境にできます。たとえば、吹き抜けやスケルトン階段を設けたり、スキップフロアを取り入れて、各階の間に空間を作ったりといった方法が有効です。
・手入れがしやすい
住宅内の掃除は、当然広ければ広いほど手間も時間もかかります。その点狭小住宅は、掃除する面積が狭く部屋数も少ないため、日々のお手入れを楽に行えるのがメリットです。
・税金が安い
不動産を購入すると固定資産税や都市計画税がかかりますが、小規模住宅用地である狭小住宅は一般住宅用地に比べ、税金が安くなる傾向にあります。住んでいる自治体によっても税率が変わるため、詳しくはそれぞれの自治体に確認してみてください。
■狭小住宅のデメリット
さまざまなメリットがある狭小住宅ですが、デメリットもあります。
・建築コストが高い
狭小住宅は狭い場所に住宅を建てるため、建築に掛かる坪単価は高くなる傾向にあります。たとえば、建設時に大型の重機や作業車が入れず、人力に頼る部分が多くなるといったケースです。輸送費や人件費がかさみ、結果的に建築コストが割高になってしまうことが考えられます。
・近隣住宅と近い
狭小住宅のほとんどは住宅が密集する場所に建てられるため、隣接する住宅との距離が近く、生活音やにおい、プライバシーが守られにくいといったトラブルが予想されます。また、彩光や風通し、冷暖房効率の悪さもデメリットの一つです。
住宅の建設時には、防音や目隠しなどの対策、間取りの工夫が求められるでしょう。
・生活動線が長くなりやすい
狭小住宅によく見られる3階建て住宅では、階段の多さが不便に感じるかもしれません。階数が増えるほどフロアごとに空間を分けられたり、内装のこだわりを追求できたりする点で魅力的ではありますが、生活動線や家事動線も長くなりやすいため、実際の生活に基づいた間取りを考えることが大切です。
・住宅ローンが使えない可能性がある
金融機関によって住宅ローンの対象となる住宅の床面積は異なり、そもそも狭い土地に建つ狭小住宅は、住宅ローンの融資を受けられない可能性があります。また、住宅ローン控除や住まい給付金などの適用条件は「延床面積50m²以上(一部、40 m²以上)」とされ、延床面積が小さい住宅については、そういった控除等は受けられない場合もあります。
■まとめ
狭小住宅は、低価格で利便性の高い都市部に住みたいという方にはおすすめの住宅です。ただし、住みやすさやコスト面を考えれば、将来の生活を見通した綿密なプランを立てることが必要不可欠と言えるでしょう。
※本コラムの内容は令和4年5月1日現在の法令などに基づいております。年度の途中に新税制が成立した場合や、税制などが変更されるケースもありますのでご了承ください。また、詳細について知りたい方は、お近くの税務署や税理士などにご確認ください。