空き家を相続したら何が必要?相続時の注意点をチェック
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空き家を相続したら何が必要?相続時の注意点をチェック
最近は日本の各地で空き家が増えており、放置されていることが問題視されています。もし空き家を相続する場合、どんなことが必要になるのでしょうか。
今回は、空き家を相続した際に気を付けたいポイントを紹介します。
■空き家の相続では何に気を付けるべき?
A「空き家は誰も住んでいないから相続も簡単にできそうだよね」
B「空き家でもやらなければいけないことはたくさんあるよ」
A「そうなの?名義だけ変更すればいいんじゃないの?」
B「確かに名義変更は必要だけど、名義変更だけだと行政から指導が入る場合もあるよ!相続前から気を付けないと大変なことになるかも」
A「亡くなった祖母の実家が空き家になったんだけど、相続の話が出ているから不安だな」
B「どんなことに気を付ければいいのか、一緒に確認しよう!」
空き家は日本各地にあり、数が増えていることから社会問題にもなっています。空き家を相続したら以下の5点に注意しましょう。
(1)空き家を放置すると無過失責任になる
遺産分割協議中で、まだ誰が空き家を相続するのか決まっていない間も、空き家の管理が必要と民法で定められています。
主に、空き家の税金を支払、不法占有者の排除、建物の状態維持などを行います。また、管理に不備があり、例えば老朽化したブロック塀が倒れ隣接する建物に被害が発生した場合等、工作物責任が問われる可能性があります。
このような空き家の管理は、相続人が決まるまでの間、相続人全員で責任を負わねばなりません。
(2)相続を放棄しても管理は必須
たとえ空き家の相続を放棄しても、次の相続人が決まるまで自己の財産におけるのと同一の注意をもって管理(令和5年4月からは「保存」)しなければなりません。
また、相続人全員が相続を放棄した場合、家庭裁判所で相続財産の管理人を選任することが必要です。相続財産管理人が実際に管理を行えるようになるまでは、相続人が管理しなければなりません。
(3)相続後は所有権移転登記をする
空き家を相続する場合、最初に相続登記が必要です。相続登記をすることで、所有者の名義変更ができるようになり、第三者が不正に所有権を主張することを防ぎます。
ただし、物件によっては空き家が亡くなった方の名義になっていないこともあるでしょう。そのような場合は、司法書士に依頼し、確実に登記できるように対策が必要です。
(4)火災保険の継続が難しいこともある
空き家は人が住んでいないことから、通常の住宅に比べ、災害リスクが高い傾向にあります。特に、不法侵入や放火のリスクもあるため、火災保険への加入はしておきたいところです。しかし、空き家の場合は火災保険の内容によっては、これまで人が住んでいたときと同じ内容での契約を結ぶことができません。火災保険は建物の用途によって種類が異なり、空き家の場合は住宅物件ではなく、一般物件と判断される可能性があるからです。当然、火災保険の内容が変わるだけでなく、保険料も変化します。
(5)取り壊しは固定資産税に注意
空き家を取り壊す際には注意が必要です。住宅の敷地における固定資産税は、軽減措置が適用されます。そのため、空き家を取り壊してしまうと適用外になり、固定資産税が最大6倍に膨れ上がることがあります。
これを避けたい方が、固定資産税を抑えるために、空き家を放置するケースも増えているのが現状です。しかしながら2015年に、「空き家対策特別措置法」が定められ、行政から勧告を受けた場合には固定資産税の軽減措置は適用外となります。また、行政が所有者に代わり解体することもできるようになりましたが、解体費用は所有者の負担です。
■相続した空き家の活用方法
空き家を相続するか悩んでいる方は活用方法を考えてみましょう。
・リフォームをして賃貸住宅やシェアハウスにする
立地や周辺環境がよければ、リフォームをして賃貸住宅やシェアハウスにしてみましょう。賃貸住宅やシェアハウスであれば家賃収入があるため、維持費用を賄うこともできます。しかし、賃料の収受等の管理業務を委託する必要はあるかもしれません。
・建て替えて賃貸にする
資金はかかりますが、建て替えは住宅だけでなく、アパートやマンションを建てる方法もあります。建て替えは費用が高く、収益としてプラスになるのには時間がかかります。事前に入居予定者が集まりそうかなど、詳しく調べておきましょう。
・建物を取り壊して賃貸や売却する
建物の状態が悪い場合や、老朽化が進んでいる場合は、更地にしてから貸したり売却したりする方法も考えましょう。土地はそのまま貸す以外に、駐車場やテナント用など、周辺の環境に合わせて用途を判断しましょう。
売却する場合は、更地のほうが高値は付きやすい傾向にあります。
■まとめ
空き家の相続にはさまざまな注意点が必要です。しかし、資産としての空き家には有益な使い方もあります。相続した際は活用方法を探してみましょう。また、不動産会社等の専門家に相談してみるのも良いかもしれません。