住宅を売却する際はオーバーローンに注意!オーバーローンとは?
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住宅を売却する際はオーバーローンに注意!オーバーローンとは?
住宅売却時にはオーバーローンに気を付けなければなりません。オーバーローンになるかわからない場合は事前に調べておきましょう。
今回はオーバーローンがどのようなものか解説します。これから不動産売却の予定がある方はぜひご一読ください。
■オーバーローンとは
A「オーバーローンという言葉を聞いたことはありますが、不動産の売却時にどのような影響があるのですか?」
B「オーバーローンになると、持っている不動産の売却が難しくなります。住宅を第三者に引き渡すためには、売却価格で住宅ローンを完済し、金融機関の抵当権を抹消する必要があるからです。もし売却時の住宅ローン残高がオーバーローンだった場合は、アンダーローンになるよう対処しなければなりません。」
・オーバーローンとは?
住宅ローンの残高が、当該不動産の売却価格を上回っている状態がオーバーローンです。住宅の購入時に、住宅価格よりも大きな金額を借り入れることを指して言う場合もありますが、今回解説するオーバーローンとは分けて考えてください。。
・アンダーローンとは?
オーバーローンとは逆に、売却する不動産の価値が、住宅ローンの残高よりも高い状態をアンダーローンと言います。住宅を売る際には、売却価格と住宅ローン残高の差額がアンダーローンになっていることが理想です。
・オーバーローンかを調べる方法
A「オーバーローンになっているかどうかはどのように確認するとよいのでしょうか?」
B「オーバーローンかは、住宅のローン残債と売却想定価格を調べることで確認できます。今後不動産を売却する必要性が生じたら、必ず調べるようにしましょう。」
①住宅ローンの残債を調べる
住宅ローンの残債は、金融機関から送付されるローン返済計画書や残高証明書で調べられます。固定金利の場合は、最初にまとめて渡されている場合もあるため、手続き時の書類を確認してみましょう。また一部の金融機関では、インターネットで返済状況を確認できる場合もあります。
②住宅の売却想定価格を調べる
住宅の売却想定価格は、住んでいる地域の土地相場や同条件で販売している不動産の売却価格を調べることで予測できます。国土交通省のホームページでは「土地総合情報システム」によって過去の取引事例が公開されており、さまざまな不動産の売却価格を閲覧できます。より正確な売却価格を知りたい場合は、不動産会社に査定を依頼するのも一つの手でしょう。不動産会社による査定を利用すれば、売却する際の見込価格を知ることができます。
■オーバーローンになった場合の対処法
もし不動産の売却時にオーバーローンとなった場合は、次のような対処をとると売却が可能です。ただし、さまざまなデメリットも予想されるため、慎重に計画を立てましょう。
・自己資金で差額を埋める
ローン残高と売却価格の差額が少なく、かつ預貯金がある場合は自己資金で補いましょう。また、車といった資産価値が高いものを売って返済に充てるのも選択肢の一つです。最もシンプルで、迅速に対処できる方法と言えます。
・住み替えローンを活用する
住宅の買い替えを検討している方は、住み替えローンの利用も視野に入れてみましょう。住み替えローンを借り入れることで、現在のローン残高もまとめて返済できます。ただし、再度金融機関の審査を受けなければならず、借入額が大きくなるにつれて審査基準も厳しくなりがちです。また、売却と購入の決済を同日に行う必要があります。
・売却の延期
急ぐ必要がないのであれば、一旦住宅の売却を見送り、住宅ローンの残高が少なくなるまで返済を続けてみてはいかがでしょうか。残高の額にもよりますが、順調に進めば数年後にはアンダーローンにできるかもしれません。その際、建物自体の経年劣化はどうしても避けられないため、時間の経過とともに住宅の価値が下がっていくことは理解しておきましょう。
・賃貸に出す
住宅を賃貸に出すと一定の家賃収入が得られ、そのお金をローンの返済に充てられます。しかし、住宅ローンは契約者本人の入居が借入条件であるため、アパートローンや賃貸ローンの組み直しが必要です。また、居住用ではなくなることで、金利が高くなったり住宅ローン控除が受けられなくなったりする可能性もあります。
・任意売却
任意売却とは、住宅ローンを契約している金融機関の承諾を得たうえで、オーバーローンの住宅を売却する方法です。住宅ローンの返済が難しくなった場合などに利用でき、任意売却で得たお金はすべて返済金に充てられます。また、それでも残った住宅ローンは継続して返済しなければなりません。
とはいえ、競売に出すよりも高い売却価格が見込まれるので、どうしても売却する必要がある際の手段として考えておきましょう。
■まとめ
不動産売却時のオーバーローンは、住宅の所有者にとってよい影響を与えるものではありません。ローンが残っている住宅でも売却はできますが、可能な限りオーバーローン化を避けて売却することが望ましいと言えるでしょう。