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使っていない不動産を売却したい!空き家を売却する際の注意点

コラム

不動産コラム

使っていない不動産を売却したい!空き家を売却する際の注意点

昨今の社会問題として、空き家が増加していることが挙げられています。空き家は犯罪被害のリスクを高めてしまうこともあるため、もし放置している空き家や使用していない不動産があれば手放してしまうのも一つの方法です。

今回は空き家を売却する際の注意点についてご紹介いたします。

■空き家を放置してはいけない理由

・犯罪につながるリスクが高まる

空き家を放置していると、放火などの犯罪につながる可能性があります。

空き家の多くは人気が少ない場所にあるうえに、ゴミなどの可燃物が放置されているため、放火犯から狙われやすいのです。

他にも、「犯罪者が住み着く」「スズメバチなどの有害な生物が巣を作る」「不法投棄される」などで、近隣住民を危険に晒すリスクもあります。

・倒壊リスクがある

現在の空き家は昭和56年の耐震基準改正前に建てられたものが多いため、耐震性が弱く倒壊するリスクが高いです。また、新しい耐震基準で建てられた家であっても、空き家になって放置されたことで本来の耐震強度よりも弱くなっている可能性もあります。

いずれにせよ、放置した空き家が倒壊して近隣住民に被害が出れば、責任を問われることになりかねません。

・固定資産税の発生

たとえ空き家であっても、「固定資産税」は発生します。住んでいないにもかかわらずコストが発生し続けるのは、非常に大きなデメリットです。

また7年前の2015年に施行となった「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、保安上・衛生上の問題がある「特定空家」には、固定資産税の軽減措置が適用されません。放置していた空き家が「特定空家」に認定されてしまうと、軽減措置が適用された場合の6倍程度の固定資産税(小規模住宅用地の特例解除)を支払う必要があります。

・行政指導が入る可能性もある

空き家が「特定空家」と認定された場合、行政代執行が行使される可能性があります。特定空家の認定条件は、以下の通りです。

  1. 著しく保安上危険となるおそれのある状態
  2. 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  3. 著しく景観を損なっている状態
  4. 周辺の生活環境の保全を図るために、放置することが不適切

A「行政代執行って何ですか?」

B「行政代執行とは、度重なる改善要求に所有者が対応しない場合に、行政が強制的に必要な対策をとることです。特定空家の場合は『建物の解体』ですね。」

行政代執行にかかった費用は、所有者に請求されます。建物を強制的に解体されたうえに、高額な解体費用まで請求されてしまうこともあるので注意が必要です。

■空き家を売却する際の注意点

A「空き家を放置するのはリスクが大きいので、早く売却するほうがよさそうですね。」

B「そうですね。ただし、空き家を売却する際はいくつか注意点がありますよ。」

・名義変更ができているか

不動産の売却は所有者(名義人)のみが行なえます。

申請には書類の準備などの手間がかかるため、司法書士などの専門家に依頼するのがおすすめです。

・利用できる控除や特例をチェック

相続した空き家を売却する際は、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」が利用できます。

不動産を売却して利益を得た場合は譲渡所得税が発生しますが、この特例を利用すれば譲渡所得から3,000万円が特別控除されます。つまり、売却利益が3,000万円以下の場合は譲渡所得税を支払う必要がなくなり、3,000万円以上の場合でも「3,000万円を引いた額」にのみ課税されるのです。

ただし、さまざまな適用要件が設けられているため、事前に税理士や近くの税務署等で確認しておく必要があります。

・業者に依頼する場合は空き家に詳しい業者を選ぶ

不動産会社にも得意な分野があり、得意分野次第で売却金額は変動します。空き家の売却に関する知識やノウハウを持った不動産会社を選ぶことで、高値で売れる可能性が高まるでしょう。

・リフォームはしなくてもよい

空き家に欠陥がある場合、修繕しておくことで売却価格の減額が防げます。ただし、修繕にかけた金額がそのまま売却価格に上乗せされるわけではありません。

出費とのバランスを考慮して、売却を依頼する不動産会社と相談の上、修繕すればよいでしょう。

■売却以外に道はない?

・所有権を失いたくないなら賃貸

空き家を賃貸に出せば、所有権を失わずに済むうえに家賃収入を得られます。ただし、家賃収入から固定資産税などの維持費を差し引いてもプラスになるかを確認しておくことが大切です。

・地方自治体等に寄付することもできる

「空き家を必要とする自治体に寄付する」という選択肢もあります。売却利益や家賃収入は得られませんが、固定資産税などの維持管理費を支払う必要がなくなるのは大きなメリットでしょう。

ただし、すべての自治体が寄付を受け付けているわけではないため、注意が必要です。

■まとめ

空き家を放置するデメリットは大きいため、住む予定がない場合は早めに売却するほうが得策です。とはいえ、売却するだけが空き家の活用方法というわけではありません。

賃貸に出すことで優良な資産になる可能性もあるため、よく検討したうえで決めましょう。

※本コラムの内容は令和4年1月14日現在の法令等にもとづいております。年度の途中に新税制が成立した場合や、税制等が変更されるケースもありますのでご了承ください。 また、詳細について知りたい方は、お近くの税務署や税理士などにご確認ください。