住宅ローンを利用している住宅を売却することはできる?
コラム
不動産コラム
住宅ローンを利用している住宅を売却することはできる?
住宅の購入をする際には住宅ローンを利用する人が多くいますが、売却したい時期にまだ住宅ローンを返済し終わっていない場合はどうなるのでしょうか。
今回は、住宅ローンをまだ返済していない住宅の売却ができるのかをご紹介します。これから住宅を売却したい方だけでなく、住宅ローンを考えている方もぜひご一読ください。
■住宅ローンを使っている住宅を売却する方法
・まずは現状の確認をする
まず、住宅ローンの返済状況を確認しましょう。住宅ローンが残っている住宅を売却すること自体は可能ですが、引き渡すときにはローンを完済して「抵当権」を抹消する必要があります。
抵当権とは、「住宅ローンを返済できなくなった場合に、金融機関がその不動産を競売などにかけて貸したお金を回収する権利」のことです。
・住宅の売却額を調べる
次に、住宅の売却金額を調べます。売却金をローンの返済に充てることもあるため、事前におおよその売却金額を知ることは大切です。
売却金額は、不動産会社の査定によって算出できます。不動産会社によって査定額は異なる場合もあるため、一括見積もりサイトなどを利用して複数社の査定額を比較することもおすすめです。
・不動産会社と契約する
売却を依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を結びましょう。売却を得意としている不動産会社を選ぶことがポイントです。売却を得意とする不動産業者はノウハウが豊富なため、売却をスムーズに進められます。
また、不動産会社の中には相場より高い査定額を提示して媒介契約を獲得しようとする会社もあるため、査定額の根拠が明確かどうかを必ず確認しましょう。
■住宅ローンを利用する前に知っておきたいこと
A「売却金をローンの返済に充てれば住宅を売却できるんですね。それがわかって安心しました。」
B「そうですね。ただし、『アンダーローン』か『オーバーローン』かで手続きが異なるため、注意が必要ですよ。」
・アンダーローン
アンダーローンとは、「売却金額のほうがローン残債よりも高い状態」を指します。売却金でローンを完済できるため、売却手続きも比較的簡単です。
【アンダーローンの場合の売却手続き】
- 売却にかかる諸費用を確認する
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 買い手が見つかれば、売買契約を交わして決済・抵当権抹消手続きを行う
・オーバーローン
問題なのは、「売却金額がローン残債よりも低い」オーバーローンの状態です。売却金ではローンを完済できないため、このままでは家を売却できません。
オーバーローンの状態で家を売却するには、売却金と預貯金などの手持ち資金を合わせてローンを一括返済するのも一つの方法です。
また、手持ち資金が不足している場合や手持ち資金を使いたくない場合は、「住み替えローン」の利用も検討しましょう。住み替えローンとは、住み替えのために購入する物件の住宅ローンに「返済しきれなかったローン残債」を上乗せする住宅ローンのことです。
住み替えローンには、「手持ち資金を使わずに済む」「低金利のローンに組み替えれば返済が楽になる」などのメリットもありますが、「借入額が増える」「融資の審査基準が厳しい」などのデメリットもあります。
■住宅ローンを利用している住宅を売る際のコツ
・住み替えなら売り先行
住み替えのために住宅を売却するなら、現在の住宅を先に売却してから新しい住宅を購入する「売り先行」がおすすめです。売却前に新しい住宅を購入する「買い先行」は、二重ローンになって金銭的な負担が増えるため、避けたほうがよいでしょう。
売り先行であれば、売却金額で住宅ローンをスピーディーに完済できます。ローン完済後に売却金が余った場合は、新居の購入費用に充てることも可能です。
ただし、先に住む家がなくなってしまうため、新居が決まるまでの仮住まいを探す必要があります。
・ホームインスペクションを利用する
ホームインスペクションは、住宅の劣化や欠陥の有無などを調べる住宅診断のことです。ホームインスペクションの診断結果次第では、住宅に問題がないことを買い手に証明できるため、値引き額を抑えて売却できるようになるのがメリットです。
費用相場は50,000~70,000円程度ですが、診断内容次第ではさらに高額になることもあります。どこまで詳しく診断してもらうか、不動産会社に相談するのがよいでしょう。
・時期を考える
住宅には売れやすい時期と売れにくい時期があります。2~3月や9~10月は新生活のスタートに合わせて住居を探す人が多いため、比較的売れやすいでしょう。
■まとめ
住宅ローンを使用している住宅を売却することは可能ですが、アンダーローンかオーバーローンかで手続きが異なります。
場合によっては損をしてしまったり二重にローンを抱えたりするリスクもあるため、不動産業者などの専門家に相談しながら売却を進めましょう。