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不動産の名義変更「相続登記」は自分でもできる?必要なものや申請方法をご紹介

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不動産の名義変更「相続登記」は自分でもできる?必要なものや申請方法をご紹介

不動産の名義変更を行うのは主に「不動産を相続した場合」「生前贈与を受けた場合」「財産分与をした場合」「不動産を売買した場合」です。

今回はこのうち不動産を相続した場合の「相続登記」について、流れや必要なものなどをご案内いたします。

自分で相続登記をしようと思っている方の参考になれば幸いです。

■相続登記とは

相続登記とは、不動産の所有者(名義人)が亡くなった際に、不動産の相続人がその名義を前所有者から自分へと変更する手続きのことです。

相続登記は義務ではなく任意なので、いつまでに手続きしなければならないといった申請期限はなく、また相続登記をしなくても2021年2月時点では罰則などはありません。

■名義変更していない不動産は管理しにくい

相続登記は任意の行為であり、罰則はありませんが、これを行っていない場合には様々なデメリットがあります。

・相続登記をしない場合のデメリット

<不動産を処分できない>

相続登記を行うまで、不動産の処分(売却)ができません。

民法177条によって「買主である第三者に対して、当該物件を自分が所有している不動産であると主張することはできない」と定められているからです。

<不動産を活用できない>

不動産の相続登記をしていなければ、不動産の活用が難しくなります。

例えば、相続した家を賃貸物件として活用する際、重要事項説明書で登記記録に記録された事項を説明する必要がありますが、相続登記をしていない場合、現在の所有者であることを証明する手続きを契約のたびに借主に対して説明する必要があります。

<不動産を担保にして融資が受けられない>

不動産の相続登記をしていない場合には、不動産を担保に金融機関から融資を受けようとしても、承認を得られません。

<放置していた分だけ手続きに時間がかかる>

相続登記を行わずに長期間放置した場合、利害関係者が多くなり手続きが困難になります。

こうした弊害を避けるためにも、相続発生からできるだけ早めに実施するのが望ましいです。

■相続登記が必要になるケース

相続登記が必要となるケースについて解説していきます。

・遺言書がある場合

被相続人が遺言書を遺している場合には、遺言書の内容に従って相続を行います。

相続登記をする際にはその遺言書を法務局へ提出する必要はありますが、遺産分割協議を行う必要がないケースもあるためスムーズに相続登記の手続きが進められることがあります。

・法定相続で相続した場合

遺産相続の際には、民法によって定められている相続割合(法定相続分)があります。

法定相続分に従って遺産分割を行う場合、遺産分割協議も容易なため、相続登記もスムーズに行えます。

・遺産分割協議をして相続した場合

相続人が複数いる場合、相続人全員が参加した上で遺産分割協議を行う必要があります。

遺産分割協議を行なって遺産分割の内容がまとまったら、不動産を相続した人が相続登記の手続きを行います。

■不動産の名義変更は自分でもできる?

不動産の名義変更は、時間と労力を考えれば専門家に依頼するのが一般的です。

ですが、自分で行うこともできます。相続登記の流れや必要項目などについて解説します。

・相続登記の流れ

自分で相続登記を行う場合の大まかな流れは次のとおりです。

①物件調査

対象となる不動産を確認します。

②相続人調査

戸籍謄本等を取得し、相続人を調査・決定します。

③その他の書類の収集

住民票や固定資産評価証明書等を集めます。

④法務局へ申請

登録申請書を作成し、管轄の法務局へ申請します。

相続の仕方によっては、遺産分割協議書等の書類作成や相続する全員から遺産分割協議書に署名押印といった工程が含まれます。

・相続登記に必要なもの

<費用>

①登録免許税

登録免許税の計算式は、不動産の価額(固定資産税評価額)× 0.4です。

※不動産の価額とは、各市町村の役所で管理されている固定資産課税台帳に則った価額です。

②その他書類取得にかかる手数料

戸籍謄本:450円/通

除籍謄本・原戸籍簿:750円/通

住民票:300円/通

登記事項証明書:600円/通

なお、司法書士に依頼した場合は報酬(相場は10万円程度)が発生しますが、自分で行う場合は不要になります。

<書類>

①登記申請書

②不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)

③固定資産評価証明書

④被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本

⑤被相続人の住民票の除票

⑥相続人全員の戸籍謄本

⑦相続人全員の住民票の写し(遺産分割協議の場合)

⑧遺産分割協議書または遺言書

⑨相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議の場合)

⑩登録免許税(収入印紙で納付)

⑪相続放棄申述受理証明書(相続放棄をした人がいる場合)

など

登記申請書は相続するケースによって用意する書類が異なるので間違えないよう注意しましょう。法務局のホームページから取得することができます。

・法務局への申請方法

<窓口での申請>

法務局の窓口で相続登記をしたい旨を伝え、必要書類一式を揃えて提出します。

登記申請から1週間〜10日ほどで登記が完了するので、後日、法務局で登記完了の書類を受領します。

登記完了の書類を受理する際は、登記申請で使用した印鑑と身分証明書、受付番号を記したメモ、法務局から指示された書類があれば持参します。

<郵送での申請>

書留郵便にて必要書類一式を提出して、登記完了予定日を待つだけです。

郵送を利用する場合、申請に不備があったときに備えて、申請書の余白部分に相続人全員の捨て印を押しておくとスムーズに対応できます。

<オンラインでの申請>

オンラインで申請を行うと諸々の手数料が割引されるメリットがあります。

あらかじめ利用環境の設定が必要ですが、場所を問わずに申請できるため、パソコンに慣れているのであれば利用してみるのも有効な手段と言えます。

不動産登記のオンライン申請については、法務省のホームページに詳細が掲載されています。

・相続登記は自分でもできる

相続人が配偶者や子どものみの人や、日中の時間に余裕がある人などは、司法書士に依頼せず自分で手続きすることも可能です。

相続登記には申請の締め切りがありません。また、申請を怠っても罰則がないので、先延ばしにされる方も少なくありません。しかし、先延ばしにしていると、相続人となる人が増えていき、話し合いが困難になる可能性があります。

不動産を相続したら、可能な限り早期に相続登記を行うことが肝要です。

※本コラムの内容は令和3年2月25日現在の法令等にもとづいております。年度の途中に新税制が成立した場合や、税制等が変更されるケースもありますのでご了承ください。 また、詳細について知りたい方は、お近くの税務署や税理士などにご確認ください。