10年以内のローンを組む場合、固定・変動どっちがベター?
コラム
不動産コラム
返済期間が短期の場合の金利タイプは固定?変動?
「親から資金援助が得られた」「不動産を売却した際に得たお金を新しい住宅の購入資金に充てることにした」「安定的に高い年収が得られることになった」など
比較的まとまった頭金が用意できた場合や、月々の返済額が多く支払える場合、早めに住宅ローンを完済するため返済期間を短めに設定する人もいるようです。
その場合、金利タイプは変動金利と固定金利のどちらを選べばよいのでしょうか?
変動がベターだがリスクも知っておくこと
金利タイプには大きく分けて変動金利と固定金利があります。
変動金利とは、文字通り金利が変動するもの。半年に一度金利が変動しますが、返済額は一般的に5年に1度の見直しとなっています。
最大のメリットは固定金利に比べて金利が低いことなので、低金利時代が続けば返済の負担額が少なくて済みます。
ただし、金利の変動に合わせた返済となるため、長期的な計画が立てにくく、金利が急に上がった場合はローンの支払いが想定以上に負担となってしまうこともあります。
一方、固定金利とは、借入時の金利が固定期間内ではずっと変わらない金利タイプのこと。
固定期間選択型では、2年・3年・5年・10年・20年など期間を選択でき、全期間固定金利型では完済までの全期間、金利・返済額が変わりません。
金利が変わらないため、資金計画が立てやすいという点がメリットとなります。
しかし、変動金利に比べて金利が高い点や、長い間低金利時代が続いた場合、変動金利のような金利低下のメリットが享受できない点が、デメリットとなります。
では、返済期間が10年以内の短期になる場合は、どちらの金利タイプがよりメリットを享受できるのでしょうか。
例えば、10年以内で1,000万円を金利0.775%・ボーナス返済なしで借り入れた場合は、5年後の見直しで5%に金利が上がっても月々の返済額は8万6,631円から9万6,183円と1万円程度の上昇となります。
増えてしまった利息分を返済金でカバーしきれない状態(未払い利息)が発生するのは金利が10%以上になった場合だけなので、金利の低い変動金利を選択したほうがリスクを軽減できる可能性が高くなります。
ただし、早めに完済したいからといって月々の生活に負担となる返済額を設定するのはおすすめしません。
短期間で負担がなくメリットを享受できるのは、まとまった頭金を用意できた人、安定した高収入が得られるという人の場合です。
住宅ローンを組む場合は、最終的に住宅ローンが支払えずにせっかくのマイホームを手放すことにならないよう、負担のない、自分に適した金利タイプを選ぶようにしましょう。
無理のない、自分に適した選択を
ほとんどの方が一生に一度となる住宅の購入。
金利タイプや期間の選択のしかたなどわからないことも多いと思いますが、月々無理のない返済となるよう専門家に相談し、上手に選択するようにしましょう。
また、金融機関によっても金利や借り入れ条件は異なりますので、自分に最も有利な金融機関を見つけるとよいでしょう。