日本家屋の問題点と解決策 ~家庭内事故を事前に防ぐには?~
コラム
不動産コラム
高齢化に伴い古い仕様は不便に
西洋文化の流入や定着などによって、日本の住宅様式は年々様変わりしています。
建築基準法の改正によって改正前に建てられた物件と改正後に建てられた物件では、仕様が異なる点も多く見受けられます。
古い日本家屋は廊下と部屋の段差があったり階段の高さが高くなっていたりして、家主が高齢化した現在では、その仕様は身体に負担がかかるものとなってしまいました。
段差につまずいて骨折したり階段から落ちて腰を強打してしまうなど、高齢者による家庭内事故が発生しています。
家庭内事故は本人の不注意と考えられがちですが、家の構造や間取りも原因のひとつと考えられます。それでは、日本家屋の問題とその解決策について見てみましょう。
不便な箇所はリフォームで新しい仕様に
日本の家屋は、家庭内事故につながる要素が多く、住人に負担がかかることがあります。
まず挙げられるのが間口や廊下が狭いという点です。
例えば車いすでの移動が必要になった場合、狭い間口のままだと、室内での移動が困難になり寝たきりになりがちです。
間口を確保するためには、壁や柱を取り払ったり、モジュールをずらしたりする方法がありますが、いずれも建物の躯体が関わってきますので、専門家によく相談をして工事を進めるようにしましょう。
また、玄関から室内に上がる場所にスロープを設けたり、廊下から室内に入るところにはすりつけ板を取り付けるなどし、段差の解消をしておくとつまずきにくくなるので安心です。
さらに、西洋文化が定着していく中で、生活様式が変化し大型家具が増えて室内の移動が不便になったという声も少なくありません。
その場合は壁面収納を設置し、家具の数を減らして、部屋のスペースを広くし、動線を確保するようにしましょう。
壁面収納は業者に依頼しなくてもホームセンターや通販で購入することも可能なので、一度探してみてはいかがでしょうか。
そのほか、古い日本家屋ほど断熱材の品質が低く、冬は寒くて夏は暑いなどの不都合に悩まされます。
夏は熱中症、冬はヒートショックの原因ともなりますので、断熱材を新しいものに入れ替え、冷暖房効率を高める工夫も必要です。
工事まではできないとお考えの場合でも、ヒートショック対策として、トイレや浴室に暖房設備を整えておくことはすぐにでもできるので、やっておくといいでしょう。
また、廊下やトイレ、浴室などには手すりを設けることも重要です。転倒を防ぐだけでなく、立ったり座ったりする動作を行いやすくする効果があります。
リフォーム費用は補助金制度を活用
長く住んだ我が家でも、年齢を重ねていくうちに構造が負担となって住みにくくなってしまうケースもあります。
住空間が整っていないと移動が億劫になり、高齢者はいつの間にか寝たきりになってしまう恐れもあります。
自治体によってはバリアフリーや高齢者に対応したリフォームの補助金制度を設けていますので、利用するとよいでしょう。補助金制度を利用できるには条件がありますので、事前に自治体に問い合わせましょう。
住み慣れた地域で自立した暮らしを続けていくためにも、バリアフリーに対応したリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。