リタイア後の住まいについて ~自宅に住み続けるか、子どもの住む街へ転居するか~
コラム
不動産コラム
"40年前に購入した住まいはバリアフリー対応でないため日常生活に不安がある" など
長く住み慣れた我が家であっても、年月を積み重ねていくと、いろいろと不便さを感じるようになります。
それに伴って「これからも住み続けるのか?」「子どもの住む街へ移住して安心を手に入れるのか?」などお悩みを持ちはじめる方も少なくありません。
老後の暮らし方 環境を変えずに暮らしていくのか? 安心を手に入れるのか?
ここでは、地域の協力を得ながら我が家に長く住み続ける場合、思い切って子ども達が暮らす土地へ移り住む場合、それぞれのケースで考えてみましょう。
ケース1:終の住まいとして住み続けるために必要なものは?
長く暮らした土地では、近隣住民とも顔なじみになっていて、人とのつながりが確立されており、そういう環境に住み続けたいと思うのは当然のことです。
しかし、年月がたつと家が老朽化し不具合が出てきます。また、古い家の造りは年をとるにつれて負担になってくるため、どうしてもある程度は「リフォーム」が必要になってきます。
日本の従来の家屋は、夏の湿度の高さで住宅が傷まないよう風通しを重視し、冬の寒さに対応できない造りになっています。
そのためトイレや浴室などは暖房器具の設置もままならない場合も多く、温度差によってヒートショックを引き起こしたり、寒いトイレへの移動が負担となったり、寝たきりやおむつの使用を余儀なくされたりするケースもあります。
また、段差が多い造りから室内での転倒事故も後を絶ちません。いくら住環境が気に入っていても、自由に動き回れる生活が奪われてしまってはリタイア後の楽しい毎日も失われてしまうことになってしまいます。
このような問題点を解消するためにも、住み続ける場合はバリアフリー工事をし、安全な居住空間を確保しておく必要があります。
バリアフリー等の改修には自治体から補助金が出ることがありますので、自治体窓口で相談するとよいでしょう。
ケース2:子どもや孫のそばで一緒に暮らす
一方、突然倒れたり、けがをしたりしたときのことを考えて、子どもが暮らす土地へ移住するという選択もあります。
いざというときでも家族が面倒をみてくれるというのが最大のメリットとなりますが、この場合は「自宅をどうするか」が問題となります。
売却して移住先で新たな物件を購入したり二世帯住宅を建てたりするのであれば、名義、ローン、相続税や贈与税について考慮しなくてはなりません。
自治体や国でも移住相談窓口を設けるなど、各種のサポートを行っていますので、そういった専門機関に問い合わせてみるのもよいでしょう。
自宅を残し賃貸に出すのであれば、固定資産税をはじめ維持費がかかりますので、不動産会社に相談をしてアドバイスを受けておくことも大切です。
自分らしく安心して暮らせる選択を
住み続ける場合も、移住する場合もそれぞれメリットやデメリットはあります。
大切なのは、「自分らしく安心して暮らしていけるのはどのような環境か?」ということです。
現在のこと、そして将来のことも考えた上で、早いうちから希望を整理しておきましょう。