賃貸経営に関わる税金と必要経費を知っておこう
コラム
不動産コラム
※本コラムは平成27年4月現在の税法規定に基づいて作成しております
家賃などにより継続的なインカムゲイン(運用益)が得られたり、定年を迎えた後でも長期的な収益が見込めるなどの、メリットも多い賃貸経営ですが
実際に経営を行うためにはどれだけ金がかかるのか、といったことは一般的にはあまり知られていません。
賃貸物件を運用し資産として子どもや孫に相続するためには、長期的な視点でお金の流れを把握しておくことが、必要不可欠です。
また、安定的なインカムゲインを得られるよう、経営を始めてから慌てたり困ったりすることがないよう、税金や必要経費などについてもしっかり確認しておきましょう。
経費や税金を考慮して、必要になるお金を予想しよう
ここでは、建築時・運用費用・相続時などの状況ごとに必要となる税金や費用についてご説明します。
・賃貸物件建築時に必要な税金や費用
賃貸経営を始めるにあたってまず必要になるのが、賃貸物件を取得するための初期費用です。
実際の建築費や購入価格に加え、不動産取得税、契約の際に必要な印紙税のほか、土地建物の登記の際にかかる登録免許税、消費税(土地は非課税ですが建物は課税対象)などの税金が必要になります。
これらはマイホーム取得の際と同様に必ずかかる費用ですので、最初からしっかりと予算に入れておく必要があります。
・賃貸物件の運用時に必要な税金や費用
取得した物件を人に貸して収益が上がれば、その収入から経費を除いた金額が不動産所得となります。
これは所得税、住民税の課税対象のため、給与所得や年金収入がある場合はそれらと合わせて確定申告する必要があります。
必要経費には、物件のメンテナンスにかかる費用や管理を管理会社に委託した際の費用などのほか、毎年支払う固定資産税、ローンを組んで物件を購入している場合はその年支払ったローンの利息やローンの保証料も含まれます。
また、賃貸経営の開始には多くの経費がかかるため、とくにスタート直後は赤字になることもありますが、給与所得などからすでに税金を引かれていれば、確定申告によって所得税や住民税が還付される場合もあります。
・賃貸物件の相続時に必要な税金や費用
賃貸物件を相続する際にも、もちろん相続税は必要になります。
しかし、自己居住用の住宅や更地を相続する場合と比べ、評価額が大幅に低くなるため相続税もぐんと軽減されるというメリットがあります。
また、相続時にローンの残債があれば評価額から差し引くことができるので、さらに相続税を低く抑えることができます。
このようにシーンごとにかかるお金をあらかじめ予算として想定しておけば、そのときになって慌てることなく、長く安定した経営が可能になります。
また、賃貸経営に関わる税金などの制度についてもよく理解しておけば、適切な相続の節約など、インカムゲイン以外のメリットを得ることもできます。
成功のカギは収支をしっかり管理すること
安定したインカムゲインを得る賃貸経営には、しっかりとしたプランニングが欠かせません。
資金面で、将来を見据えた予算を立てておくことはとくに重要です。建物や入居者の管理については管理会社に任せることもできますが、税金や必要経費などを含めた収支については、やはり自分でしっかり把握して管理することが大切です。
早い段階から信頼できる不動産会社の担当者、税務署、ファイナンシャルプランナーなど、その道のプロに相談し、的確なアドバイスを得ることも、賃貸経営成功のカギのひとつといえるでしょう。