自分の家なのに売却できない!? 土地の境界を確定させよう
コラム
不動産コラム
土地を売却しようとする時、住宅を新築しようとする時に、敷地の境界線について決まっていない場合、しばしば問題になります。
この境界がはっきりしていないと、なかなか売却することもできませんし、隣地の持ち主とのトラブルにもなりかねません。
一旦紛争になったら、解決に時間と経費を費やすことになり、何よりお隣との不仲は気持ちの負担にもなってしまいます。
なるべく早く土地の境界を確定するに越したことはありません。
有効な手段は境界確定測量
境界が不確かであるケースも、「そもそも境界が決まっていない」、あるいは「決まっているはずだが隣地所有者との認識に違いがある」、さらに「境界や地積の記録自体が不正確である」などのいくつかのパターンに分けられますが、いずれにせよ一般的には土地家屋調査士に依頼して、土地境界確定測量を行うことになります。
依頼を受けた土地家屋調査士は、該当する土地とそれを囲む全ての土地について、登記所や市町村役場などで、公図や地積測量図等を閲覧調査します。
次に現況調査を実施しますが、結果が先の調査と合致しないことは珍しいことではありません。
原因は、古い時代の資料の測量精度が低いものであったり、税金逃れのため意図的に数値を偽っていたりとさまざまなようです。
ともあれ、その後に行われる隣地の土地所有者や国、県、市などの担当者による立ち会いにおいては、資料と測量との整合性について説明し、境界標の確認作業などにより実際の境界を求めていくことになります。
そして、立会人すべての了解が得られたら、「境界確定図」を作成します。
境界確定図には、位置図や公図写し、現況実測図、求積図などが表示され、最終的に関係者が承認した旨の記名押印をすることで、境界確定協議は成立します。
最後に、土地の形状や面積などを是正する土地地積更正登記を行いこの境界確定図を添付すると、実測図面と登記面積が一致した地積測量図が保存されることになります。
ここまでやっておけば、後日代がかわった時や第三者への土地売却などの紛争回避にも役立つため一安心です。
隣家と境界の確認をしておきましょう
しかし境界を巡るトラブルは何も売却や新築時に限ったことではなく、日常的に発生しがちなことです。
「隣家が建てた塀が境界を越境しているようだ」、「隣地との境界杭が勝手に移動されたのではないか」、「亡くなった親から聞かされていた境界の位置と、隣家のご主人の主張が異なっている」などがよく聞かれるトラブルです。
裁判などに訴える前に、居住中に境界確定測量を行ったり、思い切って話しあったりするなど、お隣さん同士でできることを試してみてはいかがでしょうか。